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介護職員の待遇

[全国有料老人ホーム調査から](4)職員確保 定着へ、手当・研修充実

読売新聞より


 介護人材の不足が叫ばれる中、有料老人ホームでも、介護職員の確保と定着は大きな課題だ。各ホームでは、給料を含む待遇の改善や、研修の充実などに努めている。人材が定着しているところの取り組みを探った。(針原陽子、写真も)

 「介護福祉士の資格を取って、資格手当が上がったのはうれしい。仕事に対する責任感も高まったと思う。昨年はケアマネジャーの資格も取りました」。東京都調布市にある有料老人ホーム「デンマークINN深大寺」(定員78人)の介護職員、蟻川朋美さん(28)はそう話す。

 同ホームの特長は、介護福祉士の資格手当が1万5000円、ほかでは4、5000円程度のことが多い夜勤手当も1回9000円など、手当が比較的高いことだ。正職員で介護福祉士の資格があれば、20歳代半ばで年収は400万円になる。

 山岸絹子ホーム長は「基本給はそれほど上がらないため、資格を取ることを勧めている。受験のための勉強は実際の仕事にも役立つ」と説明する。同ホームでは介護職員33人中、23人が介護福祉士、6人がケアマネジャーの資格を持つ。

 毎日午後に短時間の会議を開いて入居者の情報などを共有しているほか、職員食堂を設けるなど、気軽に話し合える環境も整えている。山岸さんは「風通しの良さもメリットだと思う」と強調する。

 さいたま市の「センチュリーシティ大宮公園」では昨年、常勤の介護職員の離職率が、全国平均より約10ポイント低い8%にとどまった。職員の配置が、入居者1・5人に対して職員1人以上と手厚く、残業がほとんどないことが、家庭の主婦が多い職員に歓迎されたとみられる。感染症やリハビリなど、様々なテーマでの勉強会も実施。ホームでは「8?9割が参加するなど勉強熱心な人が多く、定着にもつながっている」と強調する。



 読売新聞社が全国の有料老人ホームを対象に行った調査では、介護職員の人材確保・定着のため、「基本給、手当、賞与のいずれかを引き上げた」(55%)、「研修体制を充実した」(50%)などの回答が目立った。自由回答でも、「産休や育休などをきちんと取得できるように工夫し、職員の相談にのるカウンセラーも配置」(神戸市の「エレガーノ摩耶」)、「2時間など、短時間の勤務でも採用」(大阪市の「リビングフォレスト」)など様々な工夫が見られた。


 それでも、職員の退職は依然として大きな問題だ。

 九州のあるホーム長は「ベテランでも年収はせいぜい250万円。子供を一人で育てる女性などが『やりがいはあるけれど、この収入では暮らしていけない』と辞めていく」と嘆く。

 一方、北海道のホームでは、利用者の過剰な要求にたまりかねて辞める職員が後を絶たないという。

 「『食堂で食事を取るとお金がかかる』と、居室のキッチンで食事を作るよう命じたり、『自宅に行きたい』と職員に送らせ、草むしりや家の片づけなどをやらせたりする。介護福祉士の資格を持つ職員などが『私はお手伝いさんじゃありません』と辞めていく」と頭を抱える。

 介護労働に詳しい篠崎良勝・八戸大准教授は「最大の離職理由は、やはり給料。介護報酬が上がらなくても、全体の経費を見直すことで給料を多少は引き上げることができるはず。ただ、個々のホームの努力には限界もあるため、国も、待遇のあり方をきちんと考えるべきだ」と指摘している。

 ◇最終回は「楽しみ」がテーマ。調査は、全国の介護付き有料老人ホーム2425か所を対象に昨年10月に実施、1540か所から回答を得ました。


(つづく)
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リフレクソロジー

指をいたわる

読売新聞より


(4)鼻不調 指先もんで緩和

ハンド・リフレクソロジーの際にクリームを使うと、トリートメント効果も高まる。鼻やのどの不調は指先を刺激してみる。 足裏をもみほぐすなどして体の不調を和らげる健康法「リフレクソロジー」は、手にも応用できるという。化粧品専門店「ザ・ボディショップ」新宿店のリフレクソロジスト、武田純子さんは「手や指は仕事に勉強に家事にと、日々酷使されている。日頃から手指をもみほぐしてトリートメントすることで、手荒れのケアだけでなく、全身の疲労回復に役立てられます」と話す。

 リフレクソロジーは「反射療法」と呼ばれ、足裏に全身の臓器や器官に応じた「反射区」があるという考え方に基づいている。例えば親指部分は頭部、親指の付け根付近は首――といった具合。不調な体の部位に対応した反射区を刺激し、もみほぐすことで症状を緩和させるという考え方だ。武田さんによると、手にも足と同様の反射区があるという。「病院に行くほどではないけれど、ちょっとした疲れや不調を感じた時に、仕事や家事の合間に自分で手や指をもみほぐしてはどうでしょう」と勧める。

 まず親指は、足と同様に頭部の反射区。親指の爪の両脇を挟むようにして刺激する。またどの指も、第1関節より先の部分は「副鼻腔(びくう)」の反射区だという。「鼻やのどに不調がある人は、指先を触ると張っていることが多い」と武田さん。各指先の腹の部分を少し強めに、5秒ほど押す。そして指と指の間の「水かき」部分は目の反射区。人さし指と親指で強めに挟んで刺激する。

 ハンド・トリートメントは自分ひとりでやってもいいが、家族にしてあげるのもいい。武田さんは「人に手を当ててもらうことはタッチセラピーの一種で、精神的なリラックス効果が高い。相手の体温を感じて安心することで、不調が和らぎ疲労回復につながる。ぜひパートナーや家族と、お互いにやってみて」と話している。(月野美帆子)


(つづく)

認知症患者200万人

認知症の人の心 「わからない」という慎みも

読売新聞より


社会保障部 猪熊律子
 今月17?23日、東京・池袋の映画館「新文芸坐」で、南田洋子・長門裕之特集が開かれた。

 昨年10月に76歳で亡くなった南田さんを偲(しの)び、長門さんの芸能生活70年を祝ったものだ。上映されたのは「太陽の季節」など14編。改めて女優だった南田さんの美しさにみとれるとともに、晩年、テレビで放映された認知症を患った姿を思い出して複雑な気持ちになった。

 自宅にカメラを据え、長門さんが介護する様子をとらえた映像は衝撃的だった。視聴者からは「闘病の姿に感動した」「生きるヒントをもらった」という声が多く届く一方、「ご本人は不本意だったのでは」との声も相次いだ。

 長門さんの著書などを読むと、南田さんの判断能力は相当低下していたようだ。長門さんは、妻も賛成してくれただろうと推測し、介護の現実に目を向けてほしいと公表に踏み切った。他方、南田さんの親族からは「本人は望んでいなかったはず」と、今後の放映差し止めを求める動きもある。

 どちらも南田さんへの思いは共通しているが、その内容は大きく隔たる。本当はどう思っていたのかは天国にいる南田さんに聞くしかないが、それはかなわない。


 認知症患者が200万人を超す時代になり、判断能力が衰えた人の思いをどう酌み取るかに介護者らは試行錯誤している。介護界で“カリスマ理学療法士”と呼ばれる三好春樹さんは「現場では、自己決定ならぬ『共同決定の原則』を用いているんですよ」と話す。

 本人の意思がわからない時、身近にいる介護者らがその人に代わって判断をする。だが、それだと自己満足になりかねない。だから歯止め策を二つ設けている。「一つは、自分が本人の立場だったらどうか。もう一つは、実際にやってみて本人の表情がどうか」。二つともクリアなら、おおむね大丈夫と判断しているそうだ。


 本人の意思を尊重しやすくするには、本人が判断能力のあるうちに意思を表示しておけば良いのではないか。だが、「それは無理」と、認知症の専門医として有名な精神科医の斎藤正彦さんにあっさり否定されてしまった。認知症は10年、20年かかって進行する。余命数か月のがん患者が人生の最期や死後の希望を書くのとはまったく違うというのだ。

 「多くの人が、元気な間は『床に落ちている物を食べるようになったら生きていたくない』と言う。でも現実は、認知症になった患者さんは、殺されそうになっても必死で生きようとするんですよ」

 どう努力しても限界があるのだから、「わからないという『慎み』を持って周囲が慮(おもんぱか)っていくしかないのでは」というのが、多くの患者を診てきた斎藤さんの考えだ。

 確かに、我々現代人はすべてを明確にしないと気が済まず、不安にも駆られがちだが、全部わかろうと思うこと自体が不遜(ふそん)なことなのかもしれない。もしかしたら、「わからない」という慎みの大切さを、認知症の人たちは身をもって教えてくれているのではないか。そんな気がしてきた。


(つづく)

爪かみ

指をいたわる

読売新聞より


(3)爪かみ しかると逆効果

 指先が荒れたり腫れたりして甘皮がささくれ立ち、いつも深爪になっている――。

 子どもの指先がそのような状態になっていたら、あかぎれ・しもやけなどの手荒れのほかに「爪かみ」の可能性がある。

 「おおの矯正くりにっく」(横浜市)の大野粛英(としひで)院長は長年の治療を通じて、歯並びの矯正に訪れる子どものごく一部に、指先がただれているケースがあることに気付いたという。7歳の女児の場合、足の爪もかんでいた。

 「爪かみは幼児期から児童期にかけて見られるが、歯並びへの影響は小さく、多くは成長とともにおさまる。ただ、指先の皮膚が硬くなったり、指が変形したりした場合は、神経性習癖として治療が必要」と話す。

 大野院長によると、爪かみが激しい子どもは神経質で緊張しやすいといった性格的な特徴があるほか、親が過干渉だったり放任主義だったりと、親子関係に情緒的な安定がない場合があるそうだ。そして親は爪かみに気付くと厳しくしかりつけ、子どもはますます不安定になり爪かみがやめられなくなる――という悪循環に陥りやすいという。

 教育相談に応じている東京学芸大の小林正幸教授は「親は子どもの爪かみを過度に注意しないようにしましょう」と助言する。そして子どもに不安やストレスがあることを理解し、感情を親が代弁するよう勧める。「『宿題が心配なんだね』など、不安を表現してもよいことを理解させる。すると爪に向かっていたストレスを、言葉で表現できるようになる」

 また、子ども自身が爪かみをやめたいという意志があるなら、爪かみをしなかった日はシールやスタンプを与える「ごほうび療法」も効果的だ。爪かみをやめると、指先の荒れも自然に解消するという。

 「爪かみを家族だけで解決するのは難しい場合もある。スクールカウンセラーなどに相談すると、治療の足がかりを得られるでしょう」と助言している。


(つづく)

しもやけ対策

指をいたわる

読売新聞より


(2)湯水で手浴 しもやけ防ぐ

 痛くてかゆい指先のしもやけは、寒風にさらされたり冷水に触れたりして血行が悪くなることが原因だ。予防のために、身の回りのものを使った血行改善方法を試してみてはどうだろう。

 NPO法人「おばあちゃんの知恵袋の会」(東京)は、古くから実践されてきた暮らしの知恵や健康法を会員から募り、伝承している。理事長の村尾宏さんは「昔の人は日々の生活の中で、しもやけ予防に知恵を絞って工夫してきた。しもやけになりやすい体の部位を冷えから守り、血行を促す服装や生活習慣を心がけることが大切です」と話す。

 手の血行促進のために簡単にできるのが、湯と水の「交互手浴」という方法。両手を浸せる大きさのボウルや洗面器を二つ用意し、一方に42度ぐらいの湯、もう一方に水を張る。それぞれ30秒ずつ、10回ほど交互に手を浸すうちに、指先がポカポカとしてくる。「この後、手荒れ予防に保湿クリームを塗るのを忘れずに」と村尾さん。

 このほかに、しもやけ予防のための血行促進法として実践できそうな“おばあちゃんの知恵”は「長ネギをせんじた汁を湿布にして指先にあてる」「ショウガの搾り汁を入れたショウガ湯に浸した湿布をあてる」「セリの葉をもんだ生汁を患部にすりこむ」など。

 また、日頃から体を温める食習慣を心がけるといいという。ショウガやニンニク、タマネギなど辛みのある食材には体を温める性質があるので、今の季節にお勧めだそうだ。一方、トウガラシなど強い辛みを持つ食品や鍋料理などを食べて汗をかいた後は、汗が乾く時に熱が奪われ、体が冷えてしまうことがある。よく汗をふくことが大切だ。

 村尾さんは「手浴や湿布、食養生法は、いずれも症状が軽いうちにできる対処法。かゆみがひどい、皮膚がただれるなどの場合は、すぐに医療機関へ」と助言している。


(つづく)

手荒れ

指をいたわる

読売新聞より


(1)水仕事は手袋二重に

 気温が下がり空気が乾燥する今の季節は、指先が荒れやすい。しっかりと手入れをして、いたわりたい。

 手の皮膚には体の他の部位とは異なる特徴がある。まず、顔や腹などの皮膚に比べて硬く、厚い。これは皮膚の表面を覆う角質層が厚いため。また皮脂腺がないので、顔のようにベタ付かない。

 「硬くて皮脂が少ないということは、割れやすいということでもある」と左門町皮膚科(東京)の西川武二院長は話す。あかぎれやひび割れが、顔や腹にはできないのに指先にできるのはそのためだ。

 そんな皮膚の特質に加え、冬は水仕事にお湯を使うことが増えるのも、手荒れの一因だ。西川院長によると、手洗いや台所仕事で湯を頻繁に使うことで、手の表面の保湿成分が洗い流されてしまう。また洗浄能力の高いせっけんや洗剤を多用すると、角質層の細胞と細胞の間にある脂質も洗い流し、乾燥を促進してしまうという。

 冬場の手荒れに悩む女性は多い。花王が昨冬、10?69歳の女性580人に行った調査では、台所仕事で手が荒れる時期は66%が「冬のみ」と答え、手荒れの原因としては45%が「水やお湯」、44%が「洗剤」と答えた。

 西川院長は「冬に水仕事をして指先が痛んだり赤くなったり、かゆみがあったりするのは、手がSOSを出しているということ。湯の乱用を避け、念入り過ぎる手洗いも改めましょう」と話す。

 そうはいっても、水や湯を触らないわけにはいかない。ゴム手袋の成分で手が荒れる人もいるだろう。そこで西川院長が勧めるのは、水仕事の際に綿の布手袋をした上にビニールの手袋をつける方法。そして日中はこまめにクリームを塗り、夜は薬やクリームを塗った上で布の手袋をして就寝する。この冬、インフルエンザ対策として普及しているアルコール消毒液も「指先の乾燥を促進するので、使い過ぎに注意」とアドバイスしている。


(つづく)

医療格差

脳梗塞救急、地域で格差

読売新聞より


有効薬使用件数 4倍の開き…学会調査

 脳梗塞(こうそく)の救急医療で最も有効な薬剤の使用件数に、都道府県によって最大4倍近い差があることが、端(はし)和夫・新さっぽろ脳神経外科病院名誉院長ら日本脳卒中学会の研究グループの調査で分かった。

 脳卒中の救急医療体制の地域格差が浮かび上がった形だ。25日発行の同学会誌で論文が掲載される。

 薬は、血管に詰まった血の塊(血栓)を溶かす「t―PA」。4割近くの患者が、発症から3か月後にほぼ正常な状態に回復する効果がある。国内では2005年10月に使用が認可された。

 同学会に製薬会社から報告された市販後調査結果によると、認可から08年9月までの3年間のt―PA使用件数は1万4792件。

 3年間の使用件数を、脳梗塞の危険が高くなる65歳以上の人口10万人当たりで換算すると、最も多いのは香川県の103・6件。最も少ないのは岩手県の27・1件で、3・8倍の開きがあった。全国平均は57・6件。

 t―PAは迅速な投与が必要で、同じ脳卒中でも脳出血、くも膜下出血には使えない。発症から3時間以内に、医師がCT検査などで正確な診断を行って使うことが条件となっている。

 しかし地域によっては、診断・治療ができる脳外科医や神経内科医が不足していたり、救急隊による患者搬送に時間がかかったりして、せっかくの薬剤が使えないケースが少なくない。

 国立循環器病センター内科脳血管部門の峰松一夫部長は「t―PAの使用件数は、脳卒中の救急医療の水準を示す一つの指標であり、地域格差があってはならない。都道府県は積極的に救急医療体制作りにかかわるべきだ」と話している。


(つづく)

高齢者の食事

[支えたい 介護の現場から]「安全な食事」奮闘記

読売新聞より


全部ゼリー◎口の運動じっくり

 高齢になっても、食の楽しみは失いたくない。しかし、体の機能が衰えたお年寄りにとって食事は、のどを詰まらせたり、気管に異物が入ったりという危険を伴うものでもある。

 食事をいつまでも楽しく、安全に、そしておいしく……そんな思いで高齢者向けの食の開発やケアに取り組む職員の姿を追った。

 運ばれてきた皿の中には、色鮮やかなニンジン、カボチャ、フキ、タケノコ、コンニャク……煮物のいい香りが漂う。しかし、ひとたび口にいれると驚かされる。その食材のどれもが、軟らかいゼリーでできている。

 神奈川県小田原市の高齢者総合福祉施設「潤生園」では、食べる機能が衰えたお年寄りにも食を楽しんでもらおうと、独自の「介護食」の開発に取り組んできた。理事長の時田純さんは、「介護に携わるものにとって、最大のテーマは死を看取(みと)ること。そのプロセスを支えるのに、非常に大きな役割を果たすのが『食』なのです」と語る。

 食べ物をのみ込む「嚥下(えんげ)機能」が衰えたお年寄りは、気管に食べ物を詰まらせたり、肺炎になったりする危険性がある。そのため、安全を期して鼻などからチューブを通して栄養を補給する経管栄養に移行させがちだ。

 しかし、口からの食事をあきらめれば、食べる機能はますます衰える。そこで同園のスタッフが試行錯誤の末にたどり着いたのが、唾液(だえき)に近い粘着性を持つゼリー状の介護食だった。これだと軟らかく、粘り気があってまとまりがいいため、スムーズに食道に落ちていきやすい。ニンジンゼリーはニンジン、タケノコゼリーはタケノコを裏ごしして作るので、素材の味と香りも伝わり、食欲もわく。ゼラチンで固める型は独自に作ったものだ。

 「色や質感も実物に近くなるよう、出来る限りの工夫をしています」と調理主任の中村忠和さんは言う。

 同園では、所属各施設、在宅のお年寄りへの配食サービスを合わせ、1日約800食を提供している。新鮮なものを出すために作り置きはしない。食事のタイプは、「ご飯・常食」の組み合わせから、「ミキサーかゆ・介護食」まで11種類。個々のお年寄りの食に関する話し合いが頻繁に開かれ、体調や好みにも対応する。膨大な手間がかかるうえ、費用は介護報酬で賄うだけに苦労も多いが、そこは栄養士23人、調理師20人の腕の見せ所だ。

◎  ◎
 「ポ・リ・バ・ケ・ツー」。お年寄りの大きな声が響く。口腔(こうくう)の筋肉を鍛える運動だ。大分県日出町のデイサービス「ぷらすわん」の一日は、こうした食事のための準備体操で始まる。

 呼吸を整える運動、肩や首の緊張をほぐす運動、唾液の分泌を促す運動などを念入りに行っていく。お年寄りが安全に食事をするためには、背筋を伸ばし頭をやや前傾させる姿勢が望ましいため、それを支える足の筋肉も鍛え、腕が動く範囲を広げる運動もする。

 昼食は1時間かけてゆっくりとる。「とにかく早く食べさせようと、大きなスプーンでのどに流し込む施設もあるが、気管に入る危険性があるし、何より自尊心を傷つける。時間がかかっても自分の力で食べてもらい、できない部分を介助しています」。デイサービスを運営するNPO法人「摂食コミュニケーション・ネットワーク」理事長、中島知夏子さんはそう語る。

 職員は、のみ込みを確認しながら、お年寄りの食べるペースと目線の高さに合わせた介助を心がける。こうした食事ケアを実践するため、極力、手厚い人員体制をとっている。「お年寄りは、スプーンの入れ方が悪くて食べにくい時でも『もう食べられない』と言って断ったりします。よく観察して、本当の気持ちを知るように努めたい」と中島さんは話している。

「チューブ」基準あいまい
 かむ力やのみ込む機能が衰えた人への食事の工夫が進む一方で、必ずしも、個々のお年寄りの状態に合わせた適切な食事が提供されていない実態もある。

 東京医科歯科大教授の植松宏さん(高齢者歯科学)らは、摂食・嚥下障害がある高齢者265人を、「経管調整(チューブによる栄養補給)不要」から「経管のみ」までの5段階に分けて調べた。

 その結果、37人が、今よりも口で食べる割合を多くするのが適切と判定された。これらの人たちは、もっと自分の力で食事をすることが可能だったことになる。経管の割合が経口より高かったのに、本当は経管栄養が全く不要だった人もいた。

 逆に、今の食べ方は不適切で、経管栄養の割合をより高くした方が安全だと判断された人も40人いた。

 適切な食事形態を選ぶことは、安全面でも、生活の質を保障する面でも大切だ。植松さんは「その判断基準は、現時点ではまだ確立していない。安全で楽しい食事を提供するためには、個々のお年寄りの状態を介助時によく観察することが大切です」と指摘している。(梅崎正直)


(つづく)

歯のホワイトニング

歯を白く

読売新聞より


(4)ホワイトニング 自宅でも

 加齢による歯の黄ばみをどうしても治したい場合や、本来より白くしたい場合は、歯科でのホワイトニングという手がある。薬(漂白剤)と自分の歯型に合わせて作った専用のマウスピース(トレー)を使う。

 自宅で行う方法と、歯科医院で行う方法の2通りある。自宅での方法は、夕食後や就寝中に、漂白効果のある薬を入れたトレーをはめて過ごす。装着の頻度や時間は、薬の濃度や本人の希望で異なる。歯科医院で行う場合は、週に1回通院し、歯の表面に薬を塗り、1時間程度、効果を高める光などをあてる。自宅より効き目が早い。

 昭和大歯科病院(東京都大田区)美容歯科教授の真鍋厚史さんは、「個人差はありますが、自宅で行う場合は4週間、通院では4、5回ほどの治療で満足いく白さになる方が多いようです」と話す。

 ただし、治療でエナメル質の構造が変化し、飲食物の色素がつきやすくなる。治療後の手入れにもよるが白さの維持は2、3年ほどとされる。

 治療は、自費になる。同病院の場合、いずれの方法でも上下で5万円前後かかる。

 「早い、安い」とうたう施設もあるが、真鍋さんは、「濃度を高くすれば、早く白くなるが、知覚過敏などの症状も強く出るし、治療の回数は、歯の状態をみて決まります。魅力的な宣伝文句に惑わされないで」と呼びかける。

 なお、幼少時の抗菌薬(テトラサイクリン系)の服用や、神経を抜いた歯の変色には、特殊な方法でのホワイトニングや、歯にセラミックをはりつける方法がある。

 日本歯科審美学会は、ホワイトニングの知識や技術を持つ歯科医や歯科衛生士らを認定、ホームページ(http://www.jdshinbi.net/)で公開している。(中島久美子)


(つづく)

老人ホームの「退去条項」

[全国有料老人ホーム調査から](3)退去条項 最後まで住めるか確認

読売新聞より


 有料老人ホームには、一定の条件のもとで、ホーム側から契約を解除し、入居者に退去を求められるという条項を盛り込んでいるところが多い。手厚い医療処置が必要になったり、認知症で周囲に迷惑をかけるようになったりした時などだ。だが、入居者側が十分理解していないことも多く、トラブルになりがちだ。(飯田祐子、写真も)

 「妹家族のほかに身寄りのない私にとっては、途中で追い出されることなく、最後まで住めることが何よりもありがたい」。そう話すのは、東京都目黒区の有料老人ホーム「ヒュッテ目黒」で暮らす女性(87)だ。

 自宅を処分し、2年前に入居した。入居時には、「持病の心臓病が悪化しても、最後まで暮らせるかどうかまで考えが及ばなかった」という。だが、入居後、同ホームには、医療処置の必要性などを理由とした退去条項がなく、重度の認知症になっても最後まで面倒をみてくれることを知って安心した。

 同ホームを含め11ホームを運営する「東京海上日動サミュエル」(横浜市)は、以前は、他の入居者に危害を加える恐れがある場合は契約を解除できるとの条項を設けていた。だが、2000年に事業を始めてから適用事例がなく、4年前に思い切って削除した。

 同社のホームが「終(つい)の棲(す)み処(か)」として入居者を最後まで受け入れられるのは、職員の配置が厚いことに加え、医療と介護の連携が密接なことが大きい。

 24時間体制で、看護師が常駐し、協力医が往診する。作業療法士や歯科衛生士が週に1度のペースでホームを訪れ、入居者の健康管理や職員へのアドバイスを行う。また、認知症の専用フロアを設けるなど、他の入居者への影響を抑える工夫も取り入れている。

 「ただ、認知症の方が暴力的になり、周囲に迷惑がかかってしまうこともある。試行錯誤の連続」と、同社ケア事業部担当部長の福田智予(ともよ)さんは対応の難しさを指摘する。


 読売新聞社が全国の介護付き有料老人ホームを対象に行った調査では、入院が一定期間に達した場合に退去してもらうという条項が「ある」と答えたホームが3割あった。「入院中は介護報酬が入らず、経営が厳しくなる」(東北地方のホームの施設長)という事情のほか、長期入院の場合は、ホームに戻った後も医療処置が必要になり、対応できないという理由が挙げられる。調査では、ホーム運営上、困っていることとして、「多くの医療処置が必要な入居者が増えている」を選んだところも、約3割に上った。

 医療が必要になった場合の退去条項を持つある大手事業者は、「介護職員には医療行為が禁じられており、看護師ができることには限りがある。現実的に受け入れは不可能」と説明する。


 条項がなくても、退去を迫られることもある。都内のホームに入居していた男性(85)は昨年、気管切開の手術を受けた後、ホーム側から退去を求められた。契約には、医療処置に関する退去の条項はなかったが、「ホーム側は『対応できない』と言うばかりで、結局、押し切られた」と男性の息子(57)は憤る。

 東京都消費生活総合センターによると、有料老人ホームに関する相談では、サービス等の苦情に次ぎ、退去にまつわるトラブルが多い。入居時に数百万?数千万円の一時金を払っていても、退去時にはほとんど返還されないことも少なくない。

 同センター相談課の坂本かよみさんは、「営業担当者が『一生、住み続けられます』と言っても、必ず契約書などを読むこと。事業者は、退去の条項など重要な点を抜き出してパンフレットに明記するなど、高齢者が理解しやすいよう工夫すべきだ」と話している。

4回目は「職員確保」がテーマ。調査は、全国の介護付き有料老人ホーム2425か所を対象に昨年10月に実施、1540か所から回答を得ました。


(つづく)

歯に天敵の「酸」

歯を白く

読売新聞より


(3)酸の強い飲み物に注意

 酸蝕(さんしょく)症という症状がある。炭酸飲料や果物などが含む酸で歯が溶け、冷たいものを食べた時などに歯がしみる知覚過敏が起こる。さらに歯のエナメル質が変化して透明度が増したり、エナメル質が溶けて、その下の黄色い象牙質がむき出しになったりし、歯の色が黄ばんでいく。

 一度溶けた歯を元には戻せない。東京医科歯科大教授の田上順次さんは、「歯は毎日の食事で酸にさらされ、ある程度の酸蝕は仕方がありません。酸性の強い飲食物でも、そのとり方を工夫すれば、症状の進行を緩やかにできます」と話す。

 まず、控えたいのは「ながら飲み」。仕事や運転をしながら、だらだら飲み続けるのは、歯が常に酸にさらされていることになり、歯が溶けやすくなる。ジョギングなど運動後の水分補給も注意したい。口の中が乾いて、口の中を中性に戻す唾液(だえき)が出にくい状態では、さらに酸蝕されやすくなる。

 エナメル質が溶けだすのはPHが5・5より低く、酸性度が強くなった時。主な飲食物のPHを<表>で示した。

 酸の強い飲食物をとった後、すぐの歯磨きは控えた方がよい。酸にさらされた直後の歯は軟らかい。ここで、歯を磨くと、さらに表面が削れやすいからだ。歯磨きの目安は唾液の働きで口の中が中性に戻るまで、食後30分程度おくこと。この間、唾液が含むカルシウムやリンが、溶けた歯を元に戻す再石灰化の働きもしてくれる。

 田上さんは、「酸性の強い飲食物をとったらすぐ、お茶や水で口の中を中和させるのも有効です。赤ワインにチーズ、紅茶に牛乳など、再石灰化を促すカルシウムが豊富な乳製品を合わせるのも良いかもしれません」とアドバイスする。


(つづく)

歯の磨き方

歯を白く

読売新聞より


(2)汚れ付けるごしごし磨き

 飲食物による汚れやたばこのヤニによる歯の黄ばみを防ぐには、口の中の環境を、汚れが付着しにくいように整えることが重要になる。

 ナグモ歯科赤坂クリニック(東京・赤坂)の歯科衛生士田島菜穂子さんは、「汚れを落とそうと自己流でやっていることが、実は汚れを付きやすくしていることがある」と指摘する。

 たとえば、硬めの歯ブラシや、ヤニとり効果をうたう粒子の粗い歯磨き剤を使い、強い力でごしごしと磨くこと。これは、歯の表面に細かな傷をつけてしまう。いったんは汚れが落ちても、この傷に、再び飲食物などの汚れが付着しやすいので、黄ばみやすい歯を作っていることになる。

 歯ブラシは軟らかめか普通の硬さを選ぼう。柄が適度にたわみ、力がかかりにくい工夫がされている商品も使いやすい。茶渋などを針のような先のとがったもので削り落とすのは厳禁だ。

 汚れを落とすには、唾液(だえき)も大切だ。

 慶応大医学部臨床薬剤学教室講師の今村知世さんは、「頻尿の薬や、腹痛時に処方される消化管運動抑制薬などは、唾液の分泌を抑える働きがあるので注意してほしい」と指摘する=表=。

 田島さんが教えてくれたのは、唾液を分泌する唾液腺を刺激するこの一押し=イラスト=。両手の親指であごのつけ根あたりの、首の上部を押す。「食前食後はもちろん、テレビを見ながら、駅で電車を待ちながらなど生活のいろいろな場面で、意識して唾液を出してみましょう」

 汚れが気になる場合、歯科での歯の掃除(クリーニング)もある。様々な硬さのブラシやクリーム(薬剤)を使い分け、丁寧に歯を磨き上げる。着色汚れのみを落とすのは自費で、1回数千円から1万5000円程度になる。


(つづく)

認知症予防

認知症予防に運動が効果的…東大准教授研究

読売新聞より


 高齢でも適度な運動をすれば、脳が刺激されて、新たにできる神経細胞の数が増えることが、東京大学の久恒辰博・准教授らのマウスを使った研究で明らかになった。

 認知症予防につながる新たな成果と期待される。米国の脳科学誌に19日発表する。

 研究チームは、生後2年以上の高齢のマウスを、回し車のあるかごで3日間飼育。回し車のないかごで飼育したマウスと比較した。 運動したマウスでは、脳の海馬で作られる神経細胞の数が、1匹平均298個から720個に増えた。神経伝達物質アセチルコリンの分泌が増え、海馬が刺激されたためで、アセチルコリンを抑えると、運動しても神経細胞は178個しか増えなかった。

 久恒准教授は「動物実験では、高齢になると、神経のもとになる細胞はあまり減らないのに、細胞分裂は少なくなる。認知症を防ぐには、分裂を活発にするのが重要で、運動は効果的」と話している。


(つづく)

歯の健康

歯を白く

読売新聞より


(1)加齢・飲食 黄ばむ要因

 明るくさわやかな笑顔の決め手は口元からのぞく、輝く白い歯。生え始めの白い歯が、だんだん輝きを失い、黄ばんでしまう。

 昭和大歯科病院(東京都大田区)美容歯科教授の真鍋厚史さんは、「自然な歯は真っ白でなく、やや黄色がかっています。さらに、飲食物などによる着色や加齢により、黄色くなります」と説明する。

 歯の構造は3層になっている。厚さ1、2ミリのエナメル質、その下に象牙質、神経や血管が通る歯髄がある。半透明のエナメル質から、内部の象牙質の薄い黄色が透けて見えるのが歯の色だ。

 これが、加齢により、〈1〉エナメル質が薄くなる〈2〉象牙質がより黄色く変化する〈3〉エナメル質の内部に、唾液(だえき)中のカルシウムやリンなどが堆積(たいせき)し象牙質が透けやすい構造になる――といった変化が起きて、より黄色く見えるようになる。

 また、幼少時に特定の抗菌薬(テトラサイクリン系)を服用したことや、事故などの外傷による神経の壊死(えし)、虫歯の治療による神経の除去で起こる変色もある。

 花王ヒューマンヘルスケア研究センターが18?49歳の男女177人の歯を分析し、黄ばみの有無や、主な黄ばみの原因を調べたところ、「白い歯」と判定された人は20%にとどまった=グラフ=。

 加齢による変化の次に多かったのは、飲食物のカスやたばこのヤニが歯の表面に付着することによる黄ばみだ。特に、色素の強いものに注意したい。代表的なのは、コーヒーや紅茶、ウーロン茶、赤ワインやカレーだ。といっても、着色を心配して、好物を敬遠しなくても大丈夫。

 同センター主任研究員の磯部勤さんは、「歯の表面についた直後の汚れは落ちやすい。歯磨きは朝夕のみという人も、昼に汚れがつきやすい飲食物を口にしたなら、きちんと歯磨きをする習慣を身につけて下さい」と話している。


(つづく)

高齢者と暖房器具

高齢者の冬対策

読売新聞より


(4)足腰弱める こたつ生活

 寒い冬を暖かく、快適に過ごすためには、部屋の暖房器具にも気を配りたい。

 東京ガス都市生活研究所が関東近辺の世帯を対象にした調査(複数回答)によると、使用している暖房器具は、エアコンが圧倒的に多く98%。そのほか、ファンヒーターが66%、床暖房が20%だった。

 エアコンは、暖かい空気を対流させることで、部屋全体を早く暖めるのが長所だが、同研究所・主幹研究員の宮城禎信(よしのぶ)さんは「暖められた空気は乾燥している上、その風が直接あたるため、肌が乾燥しやすくなる」と指摘する。

 高齢者は就寝中、朝まで寝室の暖房をつけっぱなしにしがちだ。エアコンは肌やのどの乾燥を招くため、長時間使用する際は、湿度への注意が必要。気流が生じない床暖房や、電気で難燃性のオイルを温めるオイルヒーターなどが寝室には向いている。

 暖房の方式で、体の動かし方にも違いが出る。同社と東京都老人総合研究所による、自宅で暮らす高齢者を対象にした調査では、部屋全体を暖めることのできる床暖房やエアコンを利用している人の方が、こたつやホットカーペットだけを使っている人に比べ、1日の活動量が多かった。こたつからほとんど動かない生活では、足腰が弱まったり、体が虚弱になったりする恐れもある。

 エアコンやファンヒーターを使用する場合、ちょっとした工夫で暖房効率を上げることができる。窓から熱が逃げないように、カーテンは厚手のものにする。さらに、床下まで十分な長さがあれば、冷気の侵入をシャットアウトできる。暖まった空気は上昇するため、足元は寒くなりがちだが、宮城さんは「扇風機で天井に向けて風を送れば、部屋の空気がかき混ぜられて、全体的に快適な室温を保つことができる」と話す。(社会保障部 野口博文)


(つづく)

高齢者と腰痛

高齢者の冬対策

読売新聞より


(3)雪かき 腰痛防ぐ工夫

 冬に怖いのが腰痛。高齢者の多くが腰痛の自覚症状を抱えており、この季節は特に注意が必要だ。

 骨粗しょう症で骨密度が低下しやすい高齢者の骨はもともともろい。産業医科大学病院長で整形外科教授の中村利孝さんは「ふとした動作で、背骨の骨が柔らかい雪の塊を押しつぶしたように圧迫骨折する。それを痛みと感じるのが腰痛。腰に負担がかからない動作をすることが一番大切」と強調する。原則は、重い荷物を持ち運ぶ際、荷物を体に密着させること。そこで、体を動かす際に気をつけたいのが厚着だ。「体との密着が数センチ違うだけでも、腰の負担はまったく違う。作業する際はなるべく薄着を」とアドバイスする。

 例年にない大雪に見舞われている雪国では、雪かきで腰を痛める人も多い。スコップで雪を掘って移動させるというのが基本動作だが、重い雪の載ったスコップが体から離れるほど、腰への負荷は大きくなる。腰痛防止には、なるべく足元の雪を掘り、体に近づけて移動させる動作が有効だ。その際、片足を一歩出し、両ひざを意識して曲げると、腰の負担は一層軽減される。「物と自分の距離を縮めると作業が楽になる」と中村さん。

 雪かきの方法の基礎を伝授する「みちのく雪かき道場2010」(山形県村山市で今月30、31日開催)で講師を務める木村浩和さんは、「作業前に軽く体操をして体をほぐしてから、最初はゆっくりと作業し、徐々に体をならすのがポイント。なによりも頑張りすぎないことです」と話す。

 冬は出無精になり、運動不足になりがち。そこで、中村さんは、屋内でできる簡単な体操を勧めている。胸をはるように背筋を伸ばし、また体を縮める。深呼吸をしながら、この動作を5?10回毎日続けると、背中の筋力アップにつながり、腰痛予防の一助になるという。


(つづく)

高齢者と感染症

高齢者の冬対策

読売新聞より


(2)風邪や下痢 水分しっかり

 冬に多いのが感染症。高齢者のため、本人や家族は家庭で何に注意すべきか。

 「訪問看護の利用者に、インフルエンザの発症はそれほど見られない。最も多いのは風邪」。在宅医療に詳しい、聖路加国際病院・訪問看護ステーション所長の押川真喜子さんはこう指摘する。だが、高齢者は風邪により、菌を含んだたんなどが肺に入り、肺炎を起こす恐れも高くなる。「単なる風邪と侮れない」と強調する。家族は帰宅の際、手洗いとうがいの徹底が必須だ。

 風邪で発熱した場合、こまめな水分補給が欠かせない。高齢者は普段から水分摂取量が少なく、脱水症状に陥る恐れがあるからだ。水やお茶のほか、ゼリーやスポーツドリンク、果物をすりつぶしたジュースなどもいい。押川さんは「栄養バランスを心配する家族も多いが、水分補給を優先すべきだ」とアドバイスする。

 下痢を起こしたら、ノロウイルスなどの冬の感染症を前提にするのが鉄則だ。ノロウイルスによる胃腸炎は下痢や嘔吐(おうと)、腹痛を起こす。冬季に流行するが、特に高齢者と子供は発病しやすい。便には大量のウイルスが含まれている。オムツを使用している場合、介護する家族は使い捨てのビニール手袋をはめてオムツを替え、その後は、必ずせっけんを使い手洗いを。オムツはビニール袋に入れて密封して捨てる。

 手袋の使用には抵抗感を持つ家族もいるが、押川さんは、「愛情がないと思わないで。ほかの家族に感染を広げないことも大切」と話す。下痢が続くと脱水が心配なので、やはり水分補給を怠らないようにしたい。

 押川さんは「高齢者は寒がって厚着をしたり、暖房の温度を上げすぎたりする傾向にあるが、かえって熱が出る原因になる。掛け布団や衣服をこまめに調整してほしい」と話す。

ノロウイルス予防の注意点
 〈1〉帰宅時、食事前には流水・せっけんで手洗いを。

 〈2〉貝類の内臓を含む生食は感染の原因になることがある。高齢者は避ける方が無難。

 〈3〉調理や配膳は、十分に手を洗ってから。

 〈4〉衣服や物品、嘔吐物を洗い流した場所の消毒は、次亜塩素酸系消毒剤を使用。

 (国立感染症研究所感染症情報センターのHPより)


(つづく)

高齢者と低音やけど

高齢者の冬対策

読売新聞より


(1)湯たんぽ 低温やけど注意

 冬本番。高齢者が寒い冬を快適に乗り切るために、何を心がけるべきか。

 まずは、やけどの予防から。湯たんぽを布団にしのばせたり、電気あんかを使うと、温かくてよく眠れそうだが、低温やけどを起こす恐れも。特に高齢者はリスクが高い。

 低温やけどは、温かく心地よいと感じる程度でも、皮膚の同じ部分が長い時間触れていると起きるのが特徴だ。介護老人保健施設「ひとりざわ」(横浜市)の施設長で、皮膚科医の加藤安彦さんは「低温やけどは、じわじわと皮膚の深い組織にまでダメージを受ける。それでいてあまり痛みを感じないため、本人は気づかない」と指摘する。

 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)によると、この13年間で報告された低温やけどの事故は77件。出荷個数が増加している湯たんぽが最多の26件だった。

 事故の一因は、高い保温性。兵庫県立生活科学総合センターでは、カバーをした熱湯入りの湯たんぽを2枚の毛布にはさみ、寝床の布団の中で温める想定での実験を行った。すると、湯たんぽの表面温度は6時間以上、45度超を維持した。高齢者は加齢に伴い皮膚感覚が鈍りやすい。「湯たんぽを皮膚から離したつもりでも、朝になって接していることもあり、やけどを起こしやすい」と加藤さん。

 このため、NITEでは、別表のような防止策を呼びかけている。NITE製品安全センター参事官の長田敏さんは「ほとんどの事故は利用者が正しく使用すれば防げた」と指摘する。

 低温やけどの治療は時間がかかる。やけどの面積は広くないものでも、ダメージを受けた組織を切り取るなどの治療が必要なためだ。加藤さんは「特に高齢者は治りも遅い。予防のためには、商品の注意書きをよく読むことが必要だが、家族が使い方をよく観察してほしい」と指摘している。

 低温やけどの防止策

 ◆同じ部位を長時間温めない。

 ◆温まったら湯たんぽは布団から出し、電気あんかはスイッチを切る。

 ◆使い捨てカイロや、靴・靴下用カイロは、目的以外の部位では使用しない。

 (NITE資料より)


(つづく)

老人ホーム、「認知症ケア」

[全国有料老人ホーム調査から]

読売新聞より


(2)認知症 各種療法 寄り添うケア
 介護付き有料老人ホームでは、認知症を患う入居者も多く、「認知症ケア」の必要性が高まっている。各ホームでは、入居者ができる限り穏やかに暮らせるようにと、様々な取り組みが行われている。(中舘聡子、写真も)


「今日も元気いっぱい、歌を歌いたいと思います」

 神戸市垂水区の「ドマーニ神戸」(定員315人)で、週2日行われている音楽療法活動。日本音楽療法学会認定の音楽療法士、北山紀子さんが、集まった約20人の入居者に、笑顔でそう語りかけた。

 「『冬の夜』という歌は、明治時代にできた尋常小学校の唱歌です。田舎の冬の夜は寂しいですが、このころは子だくさんで、家の中もにぎやかだったでしょうね」。お年寄りらはうなずき、ピアノ伴奏に合わせ、大きな声で歌ったり、手をたたいたりした。

 同ホームが、音楽療法や、植物を育てる園芸療法に積極的に取り組み始めたのは昨年春。普段独り言が多い重度の認知症の人がその時間帯は集中し、笑顔の少なかった人も居室でも歌を楽しそうに口ずさむなど、大半の人に前向きな反応が見られた。

 同ホームでは、フロアの入り口に郵便受けを設けて「自分の家」だと認識しやすくしたり、壁の一角に昔の町並みを描いて過去を回想しやすくしたりするなど、ハード面での工夫も凝らす。

 「言葉だけで理解できないことも、五感を使えば認識できる場合が多い。スタッフが認知症の人の世界に入り、寄り添う姿勢を大切にしたい」と吉田和子・ケアセンター長は話す。



画像の拡大 読売新聞社が全国の介護付き有料老人ホームを対象に実施した調査でも、脳の活性化や生きがいづくりのため、各種療法に力を入れているという回答が多く見られた。一方で、「アクティビティーを充実して要介護度の軽減を図っても、報酬上の評価がないのは納得できない」(愛知県のホーム)など、良いサービスを提供するには人件費を含めて費用がかかり、利用者負担へとつながってしまう現実に苦慮する声も聞かれた。

 徘徊(はいかい)や暴言などの行動障害に対し、認知症でない入居者から苦情が寄せられることに対する悩みを訴える声も多かった。大阪府のホームは、「共有スペースが限られており、住み分け方の工夫に苦労している。認知症でない人が『認知症の人と一緒にいたくない』と部屋にひきこもってしまうこともある」と打ち明ける。これを受け、専用のフロアを設けて対応しているホームもあった。


 このほか、「専門医による認知症の早期診断を心がけている」と回答したホームは全体の65%と、医療との連携が十分に進んでいない実態も浮かび上がった。

 大阪人間科学大教授で精神科医の松本一生(いっしょう)さんは、「症状が軽いうちに認知症を見つけ、しっかりと治療・ケアができれば、病気の進行を遅らせられる」と早期診断の重要性を指摘。「認知症ケアというと、介護職員の役割ばかりがクローズアップされがち。だが、睡眠障害などの周辺症状の対応には、医療が不可欠。介護職員が悩んだ時に相談できるようにするためにも、医療者とのかかわりをもっと密にするべきだ」と話している。



 3回目は「退去条項」がテーマ。調査は、全国の介護付き有料老人ホーム2425か所を対象に昨年10月に実施、1540か所から回答を得ました。


(つづく)

有料老人ホーム「看取り」

[全国有料老人ホーム調査から]

読売新聞より


(1)看取り 自然な最期迎えさせたい
 老後の住まいとして注目される介護付き有料老人ホーム。読売新聞社が昨年10月に行った全国調査では、医療・介護サービスの提供の仕方や職員確保に悩む現場の姿が浮き彫りになった。ケアの先進的な取り組みなどを、5回にわたり紹介する。初回は「看取り」について。(針原陽子)


「母は、家族に和やかに見送られて旅立ちました。まさに『終わりよければすべてよし』だと思いました」

 山梨県笛吹市の有料老人ホーム「サンライフ寿」(定員193人)で昨年2月、86歳の母親を看取った三女(61歳)はそう振り返る。

 母親が食べ物をのみこめなくなった時、今後の対応について主治医の説明を受けた。選択肢は〈1〉入院して治療を行う〈2〉入院・治療はせず点滴をする〈3〉今の部屋で自然に過ごす――の三つ。母親は認知症が進み、希望は聞けない。三女は姉たちと相談し、「ホームで自然に」と決めた。亡くなる3時間前、母親はにっこり笑ったという。

 サンライフ寿では3年前、グループ内の病院や特別養護老人ホームなどと共に「看取りケア委員会」を発足させた。医師・看護職員の体制や終末期までの手順などを盛り込んだ指針を2年間かけて作り、職員教育も進めている。昨年7月、看護師が入居者全員に看取りに関する意向を聞いたところ、約7割がホーム内を希望、「入院」は2割を切った。今年度亡くなった6人中、4人はホーム内だ。

 看護師でもある西山かおる・生活サービス課長は、「隣接のホールで、職員や他の入居者も参加する『お別れ会』が開かれることもあり、自分もこんなふうに送ってもらいたいと思う人が多いようだ」と話す。

◇ 

 調査では、過去1年間にターミナルケア(終末医療)を行った上でホーム内で亡くなった入居者がいた所が44%に上った。「生活の場」である有料老人ホームで看取りがこれだけ行われた背景には、入居者・家族の要望の高まりや病院の在院日数の短縮化などがあるとみられる。

 静岡市の有料老人ホーム「ナーシングホームあしたば」は、1、2号館あわせ、定員82人。近くの病院などから、経管栄養はもちろん、中心静脈栄養法(IVH)の患者、末期がん患者などを受け入れている。入居者の生活を支えるのが、夜間でも2人いる看護師たちだ。急性の病気で入院しても「ホームに帰る」と早々に退院してくる人が少なくない。

 運営会社の福与冨美子社長は、「病院での高度な医療は、時に高齢者には負担となる。できるだけ口から食べ、苦痛をとるケアが望まれている」と見る。口コミで、利用料は周辺と比べると高額ながら、入居率は90%前後を保つ。

 同市内の総合病院の退院支援担当者は、「急性期病院は赤字を防ぐため在院日数を短くせざるを得ないが、受け皿は不足している。看護体制がきちんとしている有料老人ホームの存在はありがたい」と打ち明ける。

◇ 
 一方、調査では、看取りに取り組めない事情を訴える声も多く寄せられた。

 千葉県のホームは、「看護師が常駐でないため、夜間の医療行為が必要になると退去してもらわなければならない。看護師を増やしたいが、利用料の引き上げにつながるため踏み切れない」と悩みを話す。

 介護報酬についても、特養などには認められている「看取り介護加算」がないことへの不満が上がった。名古屋市のホーム長は「経費節減のため、夜間の看取りは、看護職のうち、残業代がつかない管理職が行わざるを得ない。せめて看取り加算をつけてほしい」と訴えている。

◇ 
 2回目は「認知症」がテーマ。調査は、全国の介護付き有料老人ホーム2425か所を対象に昨年10月に実施、1540か所から回答を得ました。


(つづく)

カルテ開示の手数料

カルテ開示、無料?1万円…読売新聞調査

読売新聞より


手数料、病院間で差
 患者がカルテなどの診療記録の開示を求めた際、病院側が徴収する手数料には無料から1万円まで施設によって差があることが、読売新聞の調査でわかった。

 2005年4月施行の個人情報保護法により、診療記録の開示は医療機関の義務とされている。同法や厚生労働省の指針は、費用を徴収できるとしているものの明確な基準はなく、高額な手数料は患者の知る権利を妨げるとの指摘もある。

 調査は09年11?12月、全国の大学病院と地域医療支援病院計352施設を対象に実施し、186施設(回答率53%)が回答した。

 それによると、119施設(64%)は、コピー代などの実費負担のみで手数料は無料だったが、67施設(36%)では別に手数料を徴収していた。手数料の金額は、1万円(税別)が3施設、5000円台が9施設、3000円台16施設、2000円台15施設、1000円台8施設。16施設は行政機関の開示手数料と同額(300円)かそれに近い額だった。

 手数料は私立大学病院で高い傾向にあり、5000円以上とした12施設のうち7施設を占めた。設立主体が同じでも、無料から高額手数料まで差があった。


(つづく)

筋力回復

正月明けの体

読売新聞より


(4)筋力の回復 両足首押しつけ合う

 正月休みの間、運動不足だった人は全身の筋力が低下している。

 特に衰えが大きいのが足や太ももの筋肉だ。中京大体育学部長の湯浅景元さんは「立ったり座ったりすることが休み前よりつらくなり、持久力が落ちたことを自覚している人も多いはず」と言う。そこで、衰えた筋力や持久力を元に戻す方法を教えてもらった。

 まず、いすに座って両足を足首で交差させる。右足の爪先が左足の甲に、左足のアキレス腱(けん)には右足の足首の前面が当たる形だ。

 ひざは90度に曲げたまま、左右のひざの間を少し開き、足首同士を強く押しつけて、ゆっくりと七つ数える。終わったら左右の足を組み替えて、もう一度。

 「力いっぱい押しつけ合うことが大事。これで大腿(だいたい)部の筋肉が強化されます。ひざが伸びていると効果がないので、必ず90度に曲げてやること」

 次は、心臓や血管を元気にする方法だ。

 いすに浅めに座り直し、ひざは、やはり90度に曲げる。手は軽く握って、左右のひざを交互に上げる。座ったままのウオーキングだ。これを2?3分続ける。

 「意外に大変ですので、最初は無理をせず、しんどくなったら途中でやめてもかまわない。続けてできそうなら3分まで」

 これで前回紹介した背中から腰、ふくらはぎの筋肉を伸ばす方法と合わせ、ストレッチ、筋力トレーニング、ウオーキングの3通りの運動がそろった。座ったままの姿勢で、5分ほどで済んでしまう手軽さだ。

 湯浅さんは「食べ物に3大栄養素があるように、運動もこの三つが全部そろって初めて効果が上がる。三日坊主を防ぐためにも、無理のない範囲で少しずつ取り組んでください」と話している。(今津博文)

 (次は「高齢者の冬対策」)

ストレッチ

正月明けの体

読売新聞より


(3)ストレッチ 筋肉は、ゆっくり伸ばす

 実家に帰省し、こたつで寝正月を決め込んだ。仕事を忘れてのんびりと休みを過ごすことができたが、体はすっかり硬くなってしまった。

 中京大体育学部長の湯浅景元さんによると「体を休めたつもりでも、同じ姿勢で長時間いた結果、筋肉がリラックスできていない」という。

 テレビを見ながらごろごろしている時は、体の向きがほとんど同じ。同じ筋肉だけを使い続けて硬くなり、血行が悪くなってしまうのだ。

 これは飛行機などに長時間乗り続けた時に血栓ができて血管がふさがり、呼吸困難などを引き起こす「エコノミークラス症候群」の発症前とよく似た状態という。

 硬くなっているのは、背中から腰にかけてと、ふくらはぎの筋肉。そこで、簡単に柔らかくする方法を湯浅さんに教えてもらった。

 まず、いすに座った状態で両足を左右に大きく開く。次に上半身をできるだけ前方へ倒す。両手はだらんと伸ばし、床に着いてもかまわない。この姿勢で10秒から20秒、ゆっくりと数える。これで背中や腰の筋肉がよく伸びる。

 注意するのは体を起こす時。両手をひざの上に置いて腕の力も使いながら、ゆっくりと起こす。上体を急に起こすと、腰を痛めてしまうことがある。

 ふくらはぎの筋肉も、いすに座った姿勢で伸ばすことができる。ひざは楽にして爪先を床に着けたまま、かかとをゆっくり「1、2、1、2……」とリズミカルに上下させる。これを1分ほど繰り返す。

 「正月は体を動かす機会が少なく、特にふくらはぎの筋肉はほとんど使っていません。無理な負荷をかけるとアキレス腱(けん)や筋肉の筋を痛めてしまうことがあるので、最初は楽な状態でゆっくり動かせば十分です」と湯浅さん。これなら簡単にできそうだ。


(つづく)

正月太り

正月明けの体

読売新聞より


(2)食生活 体重増、1か月かけ戻す

 正月休みが、他の連休と大きく違っているのは食生活。どうしてもカロリー過多になりがちなのだ。

 おせち料理の田作りや黒豆、栗きんとんなどは、冷蔵庫がない時代に生まれた保存食なので、腐敗菌の繁殖を防ぐために糖分や塩分がふんだんに使われている。お餅も一個でご飯1?2杯分と高カロリー。口当たりが良いため、ついつい食べてしまう。古里に帰省すると、親族や友人との外食、飲酒の機会も増える。

 日本栄養士会栄養ケア・ステーションの管理栄養士、山本千裕さんの試算では、40代男性の場合、正月の摂取カロリーは普段の約1・5倍。休み明けに体重計に乗ってがく然とした人も多いだろう。

 何はともあれダイエット。カロリー過多なら食事を減らせばいいというわけではない。山本さんは「朝食を抜くのは駄目。きちんと食べないと逆に太ってしまいます」と注意する。食事の間隔が開くと、脂肪より先に筋肉が落ちてエネルギー代謝が悪くなり、かえって脂肪がつきやすくなるからだ。毎食、規則正しく食べながら、少しずつ摂取カロリーを減らすことを考えよう。

 体重を1キロ落とすには7000キロ・カロリーの消費が必要だ。缶ビール1本で約140キロ・カロリーなので50本分。山本さんは「晩酌やカロリーの高い揚げ物、洋菓子などを少しずつ〈仕分け〉すれば、1か月で無理なく減らせるはず」と話す。

 三日坊主にならないコツは毎日1回、同じ時間に体重をチェックすること。これだけでも結果が違ってくるという。

 明日7日は一年の無病息災を願う七草がゆ。「正月の食生活の影響で内臓に疲れが出てくるこの時期、消化吸収が早く、胃に負担をかけないおかゆは最適。七草に鶏のささみや梅干しを加えると、一段とおいしくなりますよ」


(つづく)

正月明け

正月明けの体

読売新聞より


(1)メンタル 少しずつペースを上げる

 正月休みが終わり、仕事や学校が再開するこの時期は「心機一転、頑張ろう」と思う反面、「今ひとつ本来の調子が戻らない」と感じている人も多いのでは。そんな人に、日常生活にうまく戻る方法を紹介したい。

 産業医で労働衛生コンサルタントの下村洋一さんは「毎年、今ごろから心身の不調を訴える人が増え、中にはうつや脳卒中になる人もいるので要注意です」と指摘する。

 正月休みは他の連休とはかなり事情が異なる。期間が長く、気温が低いため、屋内で過ごす時間が長くなる。食生活も普段とは違い、お酒を飲む機会も多い。

 「4?5日間も仕事から離れると色々なことを忘れ、心にぽっかり穴が開いたようになってしまうこともある。普段とは違うストレスで調子が狂いやすいんです」

 体にも疲れがたまっている。夜遅くまでテレビを見たり、帰省や家族旅行で長時間、車を運転したりすると、生活リズムが崩れて睡眠不足になっている。注意力が散漫になり、通勤中の交通事故や、仕事中のけがにつながることもある。

 下村さんは「今週は生活リズムを元に戻すことが最優先。不調を感じるなら無理やり頑張ろうとせず、次の連休まで乗り切るくらいのつもりで、少しずつペースを上げていくようにした方がいい」とアドバイスする。

 「十分に睡眠時間をとること。眠い時は少しくらい昼寝をしてもいい。残業はなるべく避けて早めに就寝し、その代わり、朝は早めに起きることが大事です」

 寒い季節はこたつが恋しいものだが、思い切って外に出てみよう。散歩などで日光を浴びれば、体内時計が「夜型」から「朝型」にスムーズに切り替わり、さわやかな気分で一日が始まるだろう。


(つづく)

うつ病増加の背景

「うつ百万人」陰に新薬?販売高と患者数比例

読売新聞より


 うつ病患者が100万人を超え、この10年間で2・4倍に急増している。不況などの影響はもちろんだが、新規抗うつ薬の登場との関係を指摘する声も強い。安易な診断や処方を見直す動きも出つつある。

 東京の大手事務機器メーカーでは、約1万2000人いる従業員中、心の病による年間の休職者が70人(0・6%)を超える。2か月以上の長期休職者も30人を超えた。多くがうつ病との診断で、10年前までは年間数人だったのが、2000年を境に急増した。

 この会社の産業医は、「『うつ病は無理に励まさず、休ませるのが良い』との啓発キャンペーンの影響が大きい」と話す。うつ病への対処としては正しいが、「以前なら上司や同僚が励まして復職させたタイプにも、何も言えなくなった。性格的な問題で適応できない場合でも、うつ病と診断されてしまう」と、嘆く。

 国の調査では、うつ病など気分障害の患者は、2000年代に入り急激に増えており、一概に不況だけの影響とは言えそうにない。

 患者急増との関係が指摘されているのが、新規抗うつ薬「SSRI」だ。年間販売高が170億円台だった抗うつ薬市場は、1999年にSSRIが登場してから急伸。2007年には900億円を超えた。

 パナソニック健康保険組合予防医療部の冨高辰一郎部長(精神科医)によると、欧米でも、この薬が発売された80年代後半から90年代初めにかけ、患者の増加がみられた。

 冨高部長は「SSRIが発売されたのに伴い、製薬企業による医師向けの講演会やインターネット、テレビCMなどのうつ病啓発キャンペーンが盛んになった。精神科受診の抵抗感が減った一方、一時的な気分の落ち込みまで、『病気ではないか』と思う人が増えた」と話す。

 田島治・杏林大教授が、学生にテレビCMを見せた研究では、見なかった学生の倍の6割が「気分の落ち込みが続いたら積極的な治療が必要」と答え、CMの影響をうかがわせた。

 ◆安易な投薬…薬なしで回復の例も◆

 うつ病は一般的に、きまじめで責任感が強い人が陥りやすいとされる。自殺に結びつくこともあり、早期発見・治療は自殺対策の柱のひとつにもなっている。

 ところが近年は、「自分より他人を責める」「職場以外では元気」など、様々なタイプもうつ病に含まれるようになった。検査数値で測れる身体疾患と違い、うつ病の診断は難しい。このため、「抑うつ気分」などの症状が一定数以上あれば要件を満たす診断基準が普及した。「なぜそうなったか」は問われず、性格や日常的な悩みによる落ち込みでも診断され、かえって混乱を招いた面がある。

 田島教授が行った精神科診療所の医師に対する調査では、約8割の医師が、うつ病の診断が広がり過ぎていることに懸念を示した。

 安易な投薬を懸念する声もある。抗うつ薬は、うつ病治療の柱とされているが、宮岡等・北里大教授は「薬なしでも自然に回復するうつ病も多い」と話す。

 海外では、軽症には薬物療法ではなく、カウンセリングや運動などを最初に勧める治療指針も多い。渡辺衡一郎・慶応大専任講師は「日本でも、まず抗うつ薬ありきという認識を見直す時期に来た」と話す。(医療情報部 高橋圭史、佐藤光展)


(つづく)

自閉症と脳機能

自閉症者の脳、たんぱく質減少…治療法に光

読売新聞より


 自閉症患者の脳では、感情などに関係する神経がうまく働いていないことを、厚生労働省研究班(主任研究者=森則夫浜松医大教授)が明らかにした。


 脳内の特定のたんぱく質が健常な人に比べ3割程度少ないという。自閉症の新しい診断や治療法に結びつく成果で、米専門誌に5日掲載された。

 自閉症は、〈1〉相手の気持ちが読めない〈2〉自分の気持ちをうまく伝えられない〈3〉特定のものに強くこだわる――などの症状があり、100人に1人の割合で患者がいるとされる。

 自閉症は脳内の神経伝達物質であるセロトニンとの関係を指摘する「セロトニン仮説」が有力視されてきたが、証明されていなかった。研究班は、18?26歳の自閉症患者20人の脳を陽電子放射断層撮影(PET)で計測。感情などをつかさどるセロトニン神経の表面にあり、セロトニンを回収する働きを持つたんぱく質が、脳全体で減っていることを初めて示した。

 また、脳の帯状回という部位でこのたんぱく質が少ないと「相手の気持ちが分からない」という症状が、視床という部位で少ないと「こだわり」の症状がそれぞれ強まることもわかった。

 研究班は「自閉症は脳の障害であることがはっきりした。治療法開発に加え、社会的理解にもつながる」と期待している。


(つづく)

失われた10年

日本の「失われた10年」教訓に、米紙社説

読売新聞より


 【ニューヨーク=吉形祐司】3日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、「日本の(失われた)10年を回避するために」と題した社説を掲載し、経済危機からの脱却のため、1990年代の日本経済の失敗の轍(てつ)を踏まないようオバマ政権に警告した。


 社説は、日本が「失われた10年」を招いた要因について、「日本政府が必要な措置を取る決意を欠いていた」と指摘。景気回復が軌道に乗る前に景気刺激策を止めたことや、金融機関の不良債権問題への不十分な対処により、「日本経済がアジア通貨危機や米国の情報技術(IT)バブルなど外的な衝撃に対して、あまりにも脆弱(ぜいじゃく)になってしまった」と説明した。

 また、「オバマ政権が注意深く対応しなければ、(日本と同じ)過ちを繰り返しかねない」と警鐘を鳴らし、「日本の『失われた10年』から学ぶ教訓があるとすれば、生半可な対策は奏功しないということだ」と論じた。


(つづく)

デフレ不安

日本経済再生 デフレ退治に全力投球せよ

読売新聞・社説より


 日本経済は、金融危機と世界不況の嵐をひとまず乗り切ったが、今度はデフレの冷たい霧に包まれてしまった。中長期的には、少子高齢化や人口減少による経済規模の縮小という難題も控えている。

 安定成長の軌道に乗るか、それともデフレの圧力に屈して下り坂に迷い込むか。日本経済は岐路に立っている。政府・日銀は、政策を総動員してデフレを克服し、活路を開かねばならない。

 ◆格安競争に潜むワナ◆

 政府は、2001年3月にデフレを認定した後、脱却宣言を出せないまま、昨年11月に再認定した。実際には、銀行破綻(はたん)が相次いだ金融不況から約10年、慢性デフレに沈んだままと言っていい。

 とりわけ最近は、スーパーや量販店に1000円を切るジーンズが並び、飲料や持ち帰り弁当、牛丼チェーンなど食料品にも“格安戦線”が急拡大している。

 消費者はできるだけ安く買いたいと考え、企業は売り上げ回復のため値下げする。それぞれにとっては合理的な行動が、デフレを悪化させる要因となる。

 値下げ競争が激しくなると、企業は採算が悪化して利益が減る。このため、リストラや給与カットが広がり、さらに消費を冷やす悪循環が起きる。

 経済統計を見ると、消費者物価の大幅な下落が続く一方で、労働者の月給はここ1年半、前年より減り続けている。

 物価は安くなっても、それ以上に給料が下がり、リストラや倒産で多くの人が職を失う……。そんな「デフレスパイラル」が起き始めていないか、警戒が必要だ。

 ◆需要は35兆円足りない◆

 デフレには、需要不足、金融収縮、通貨高の3大原因があり、今回は日本経済全体で35兆円もある需要不足が主因と見られる。

 一昨年からの世界同時不況で海外需要が急減し、輸出企業を中心に、大幅な減産と雇用カットが加速した。輸出はアジア向けを中心に回復してきたが、ショック前のピークの7割ほどしかない。

 設備や従業員を追加してまで増産する企業は少数派で、設備投資と雇用は回復が遅れている。新卒者の就職内定率は高校、大学とも記録的に落ち込み、就職氷河期の再来も心配だ。

 過度の円高は、輸出産業を追い込み、輸入品の価格下落でデフレを悪化させる。政府は、市場介入をためらうべきではない。

 持ち直してきた景気も、今年は景気対策の効果が薄れ、腰折れする懸念がある。当面は景気浮揚に即効性のある公共事業などでテコ入れを続けるべきだろう。

 だが鳩山内閣は、「コンクリートから人へ」の政権公約にこだわり、来年度予算の公共事業を大幅に削った。これは、基幹産業が乏しい地方には特に打撃となる。

 鳩山内閣は、子ども手当などの家計支援で、内需を刺激するとしている。だが、家計へのばらまきは貯蓄に回り、消費されにくい。景気対策として、効果的な予算の使い方とは言えまい。

 財政は危機的だが、景気下支えの緊急措置として一定の国債増発もやむを得ない。増発による長期金利の上昇を防ぐために、日銀も国債買い入れの増額など、量的金融緩和の拡大で協調すべきだ。

 財政出動だけで需要不足は穴埋めできない。企業が利益を上げ、それが従業員の給料や設備投資を増やす。そんな自律的成長を回復せねばならない。アジアなど外需の成長を取り込まないと、内需も頭打ちになる。

 ◆企業と家計を元気に◆

 鳩山政権は、家計重視を掲げているが、企業を力づける政策は、あまりに手薄だ。

 国際的に高い法人税実効税率の引き下げは、競争力強化のため、いずれ必要だろう。環境や省エネなど成長分野の研究・開発を後押しする施策も引き続き重要だ。

 介護など高齢社会で伸びる事業の支援や規制緩和も新たな雇用を生み出す。

 企業にも問題はある。いざなぎ景気を超えた長期好況で企業は巨額の利益を得たが、従業員への配分を抑えたため、消費は盛り上がりを欠いた。労働分配率を高め、内需の成長を後押しすれば、企業にもプラスになろう。

 家計は、財政危機や医療、年金に対する不安から、過剰な貯蓄を抱えている。これも消費を冷やす要因である。社会保障費などの安定財源は消費税のほかにない。

 景気回復後の消費税率引き上げを含め、財政再建計画を定めて将来不安を和らげるのも、広い意味での景気対策と言えよう。

 与党内には、利子をゼロにするかわりに相続税を免除する「無利子非課税国債」構想もある。国は利払い負担なしで家計の“眠れる資金”を活用できる。経済立て直しに役立ててはどうか。


(つづく)

「ニッポン漂流」を回避しよう 今ある危機を乗り越えて

読売新聞・社説より)


 ◆国家戦略を示すときだ◆

 景気はよくなるか。医療、介護が安心して受けられるか。日米関係に亀裂は入らないか。

 多くの国民が、こんな不安を胸に新年を迎えたに違いない。日本の将来に、期待よりも懸念、希望よりもあきらめを強く抱かせるような、政治の迷走、経済の停滞が続いているからだ。

 主な原因は、鳩山連立政権が日本の平和と繁栄、安心社会を維持するための、中長期の国家戦略を欠くうえに、当面の針路すら国民に明示できないことにある。

 国家戦略なき日本は、国際社会の荒波の中で孤立化し、やがては漂流することになろう。これでは困るのだ。

 日本が進むべき道は何か。どんな国造りを目指すのか。新しい国家像をどう描くのか。危機を乗り越える具体的な処方箋(せん)とともに、骨太な国家戦略を示すこと、それが政治に課された責任である。

 ◆連立の弊害をただせ◆

 鳩山政権の機能不全は、大きく言えばキャスチングボート政治、マニフェスト至上主義、官僚排除に由来する。

 加えて、鳩山首相自身の献金問題だ。首相は進退を世論に委ねる意向を明らかにしたが、展開次第では政変に結びつく。日本政治が激動する可能性もあろう。

 小所帯ながら参院で法案成否の鍵を握る社民、国民新両党が大勢力の民主党を振り回し、外交・安全保障や財政・経済運営の基本をゆがめる現状は看過できない。

 象徴的事例が、米軍普天間飛行場移設問題の決着先送りだ。鳩山首相の優柔不断もさることながら、連立政権維持を優先する民主党の小沢幹事長らの思惑により、日米同盟の危機が指摘される事態になっている。

 1955年の保守合同は、左右両派社会党の統一を目にした保守陣営の危機感から誕生したが、小党乱立の弊害を除くねらいもあった。

 緒方竹虎(おがたたけとら)副総理が、小党のキャスチングボートは多数決政治の信頼を揺るがすと指摘、保守合同による「政局の安定は現下爛頭(らんとう)の急務」と強調したゆえんである。

 55年体制には功罪あるが、日米同盟に基づいて日本の平和を確保し、自民党一党支配による政局の安定と、それに伴う経済成長の礎を築いたことは間違いない。

 鳩山内閣はキャスチングボート政治からの脱却が迫られている。国の命運がかかり、国民生活の基盤が左右されるような重要政策・法案の成否に当たっては、野党とも提携する「部分連合」や、大胆な政界再編による「挙国政権」づくりをためらうべきではない。

 ◆日米基軸が国益に沿う◆

 言うまでもなく、日米同盟は日本の安全保障の生命線だ。

 核開発を続ける一方で体制保証と経済支援を強要する北朝鮮、軍事力増強を背景に経済権益の拡大を図る中国。

 政治体制が異なる両国と一衣帯水の日本にとって、安全保障同盟を基軸とする良好な日米関係の維持は、国家戦略の基本に位置づけられなければならない。

 それなのに、東アジア共同体構想を掲げ、米国離れを志向する鳩山首相の言動は極めて危うい。

 主権国家として、日本が米国と対等な関係にあるのは自明だ。

 しかし、安全保障に関して言えば、有事の際に米国が日本を守り、その代わりに日本が米軍に基地を提供する、という相互補完関係にある。日米安保体制が、戦後日本の「軽武装・経済優先」路線を可能にしたわけだ。

 鳩山首相が言うように、米国依存を改め、対等な関係を目指すのなら、北朝鮮などの脅威に備えた自主防衛力の抜本的な強化が必須となる。

 防衛費は膨張し、景気対策や社会保障に回すべき予算が圧迫される。さらに、日本の軍事力強化に対する周辺諸国の懸念を増幅させるだろう。

 米国との同盟関係を薄めて、対等な関係を築くというのは、現実的な選択ではない。

 一方で、日本が経済的に密接なつながりを持つ中国と、「戦略的互恵」関係の強化を進めるのは当然だ。北朝鮮の暴走に歯止めをかけるためにも、中国の協力は欠かせない。

 しかし、それ以上に民主主義、人権尊重、思想・信条の自由という普遍的価値を共有するアメリカとの関係強化を、アジア・太平洋の平和と安定の基礎に置く視点が不可欠である。

 ◆非常時は大胆な政策を◆

 家電、衣料、食品業界などで、コスト割れの安売り競争が横行している。消費者も、安く買えると喜んでばかりはいられない。弱肉強食、倒産・失業増加、賃下げ、デフレ悪化などの、負の側面を持つ危険な現象だからである。

 デフレ脱却には、強力な指導力が不可欠だ。

 昭和恐慌時の高橋是清(これきよ)蔵相、アメリカ大恐慌時のフランクリン・ルーズベルト大統領のように、不況脱出のためには強権発動も辞さず、の断固とした政治意思を市場に示す必要がある。

 残念なことに、鳩山首相からは不況脱出にかける強力なメッセージが伝わってこない。マニフェストに固執する余り、政策の優先順位を決められず、右往左往しているからだ。

 新年度予算編成作業でも、マニフェストの柱に掲げたガソリンの暫定税率廃止、子ども手当などを巡って迷走を続け、結局、民主党の小沢幹事長が仕切る形で決着した。政策は政府に一元化、という看板も羊頭狗肉(くにく)で、「党高政低」の現実には大きな不安が残る。

 鳩山内閣は官僚との円滑な意思疎通を欠き、情報不足に陥っている。首相や閣僚が「裸の王様」では正しい政策判断はできない。官僚を忌避するのではなく、使いこなすのが政治家だろう。

 ◆社会保障を景気対策に◆

 「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズが独り歩きしている。危険なことだ。

 公共事業は「土建国家」の悪玉施策と言わんばかりである。吟味は必要だが、地方が疲弊しているときに、即効性が高い公共事業の活用も大切だ。

 安心社会づくりで肝心なのが医療、介護、福祉である。社会保障の充実は、安全網の整備に加え景気対策の効果も期待できる。

 約600万人が従事する社会保障の分野は、少子高齢化により今後も拡大する。雇用を作り、生産を促し、カネを循環させる機能は、他産業と比べて見劣りしない、といわれている。

 社会保障の財源として消費税率引き上げは避けて通れない。鳩山政権は凍結の封印を解き、景気回復後の税率引き上げに国民の理解を求めなければならない。

 来年度予算では、大量の国債発行が不可避となった。国債費のうち約10兆円が利払いに充てられている。利払いの負担を軽減するため亀井金融相らが主張するように、無利子非課税国債を発行することも検討に値しよう。

 金持ち優遇の批判も予想されるが、約30兆円のタンス預金を国債に吸い上げて活用できれば、景気対策に役立つではないか。

 非常時には非常時なりの思考と行動が必要である。ローマ帝国の滅亡を早めた「パンとサーカス」の、大衆迎合的ばらまき・見せ物政治から一日も早く抜けださなければならない。

 そうでなければ、眼下の危機を乗り越えることも、明日への責任を果たすこともできない。


(つづく)
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