フルマラソンを走った
読売新聞より
(3)靴の中敷きで痛み予防
記者の足裏の圧力分布。左足の真ん中あたりの点が小さく、体重が右足に偏っていることが分かる マラソンを快適に走るには、靴選びも重要だ。
NPO法人日本フットトレーナー協会理事長の飯田潔さんは「履きやすさから大きめのサイズを選ぶのは間違い。靴は、かかとがピッタリ合った状態で本来の性能を発揮できるが、大きいと前にずれてしまい、爪先なども傷めやすい。長さと幅がピッタリのものを選んでほしい」と話す。
実は記者の靴も大きめで、NAHAマラソンの途中、両足の爪先が靴の先端に押しつけられて曲がり、爪から出血してしまった。
飯田さんは、靴の中敷きをオーダーメードで作る専門店「フットレスキュー」を東京・西神田で開いている。最新の靴でも、中敷きはお粗末なものが多いためだ。上村愛子さんや高橋大輔さんら五輪代表の中敷きも作っている。
適切な中敷きで土踏まずのくぼみを支えると、「足裏の過度の伸縮が抑えられ、痛みや炎症を予防できる。中敷きの高さの微調整で、走りの癖も修正できる」という。
記者も作ってもらった。検査、足型とりから完成まで1時間。足裏の圧力測定や、走りのビデオ撮影で、記者は体が右に傾くことが分かった。そのため右足に過度の力がかかり、左足は内側に倒れ込む無理な着地になっていた。
そこで、右足の外側などを少し高くした樹脂製の中敷きが完成。靴に入れて走ると、傾きはすっかりなくなっていた。硬すぎず、足と靴の一体感が増して気分もいい。
料金は、検査料を合わせて1万8000円ほど。高価だが、丈夫なので靴を替えても使える。もっと手軽なのは市販の中敷きで、スポーツ店などで数千円で購入できる。同協会の講習を受けた「スポーツシューズスペシャリスト」など、専門知識を持った店員に相談するのがお勧めだ。(佐藤光展)
(つづく)
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