奉仕 苦役か効果か 東京都の高校で必修化
毎日新聞より
政府の教育再生会議が第2次報告に盛り込んだ高校での奉仕活動必修化。以前にも同様の提言が出されたものの、全国一律の導入は見送られた。一方、東京都が07年度から全国で初めて高校で必修化した独自教科「奉仕」の授業が始まった。現場の反応は。全国に広がるのか。【高山純二】
東京都の「奉仕」は、全都立高に義務付けられた。学習指導要領の学習内容に年35時間(1単位)の「奉仕」が加わった。都教委が独自に作成したテキストによる事前・事後学習があり、実際に活動するのは35時間のうち半分程度になる見通しだ。
授業は主にクラス担任が受け持ち、「社会に役立つ喜びと意義を知る」「社会のさまざまな課題を知る」など教科の狙い4項目の「事前学習」「活動」「事後学習」のそれぞれについて「非常によい」を3、「よい」を2、「課題がある」を1として評価。生徒にも自己評価させ、最終評価は数字ではなく記述式で行う。
都立本所高校(東京都墨田区)の1年生は6月末、「奉仕」の一環で学校周辺のごみ拾いをした。5人程度のグループに分かれて、分担場所に向かう生徒たちは楽しそう。入学からまだ3カ月という時期で「友達関係を広げられる」(男子生徒)ことも一因のようだ。
小雨もぱらつく中を約40分間、ペットボトルやたばこの吸い殻などのごみ拾いを終えた後、男子生徒に感想を聞くと、「街がきれいになると、心もきれいになる気持ちがします」。冗談めかした答えに、周囲の友人たちが笑った。「本音はみんなやりたくないですよ」「面倒くさい、帰りたいですよ」。教員らの期待に反して生徒たちのぼやきも聞こえてきた。
同校は1年間で、▽学童クラブでの小学生の世話▽地域の祭りの手伝い▽献血センターの手伝い−−などの活動をする予定だ。
都教委の担当者は「すべての子どもが狙いを理解しているわけではないが、福祉活動などの現場を知るだけでも価値がある」とその教育効果をアピール。別の高校のある男性教員は「奉仕の必修化は個人的には反対。疑問に感じる生徒もいるのでは。でも、活動すれば何らかの成果は得られると思う」と話す。
奉仕の必修化は00年12月、森喜朗元首相のもとに設置された教育改革国民会議も提言したが、「『滅私奉公』『お国のため』というイメージがある」と批判にさらされ、導入には至らなかった。
しかし、その後の04年11月、都教委は導入を決めた。06年11月にある地域のPTAに説明した際、保護者らからは批判的な意見も出たが、実際に始まってからは意見や苦情などは寄せられていないという。
教育再生会議が07年度中に学習指導要領を改定し、必修化するよう求めている「奉仕」。東京都は03年度から主幹教諭制度を導入するなど、これまでにも全国の先陣を切った例がある。「奉仕」が全国に広まるかどうかは今後、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)が教育効果も含めた必修化の是非を論議し、学習指導要領に盛り込むかどうかを判断する。
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対人関係が希薄になっている現代社会の中では
「授業」となるのもやむを得ないのかもしれません。
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