賃上げ原資 配分多様化
読売新聞より
「物価が上がっている分も賃上げを」という労働側の戦術は不発。労使で一致したのは賃上げ原資を重点的に配分することだ。
原油高騰や世界的な資源価格の上昇で、ガソリン、パン、即席めんなど生活必需品の値上がりが続いている。連合が2月に行ったアンケートでは、「1年前に比べて物価が上昇した=89・3%」「物価上昇が生活の負担だ=86・0%」と、生活に影響が出ている様子が浮かんだ。「負担」と答えた人のうち、36・3%は月々の負担増が1万円を上回った。労組側は物価上昇による負担増を経営側に訴えた。
多くの大手企業の回答は月1000円。年間では1万2000円だ。ニッセイ基礎研究所によると、消費者物価(生鮮食品含む)の0・3%上昇で、家計は月900円の負担増となり、賃上げ分は帳消しになる。斎藤太郎シニアエコノミストは「今回の賃上げは実質マイナス。個人消費が経済成長率を押し上げる効果も期待できない」と見る。
物価が上昇していると言われながら、07年の消費者物価指数は前年比横ばい。08年1月の指数は前年同月比でわずか0・8%の増だ。経営側は「数値としては物価上昇を確認できない」という立場だ。
ホンダは「物価上昇で生活実感としての厳しさが増しているということに誠意を示した」と言うものの、回答は前年実績を下回る800円に終わった。
一律、大幅賃上げを拒む経営側が認めたのが、賃上げ原資の配分方法を多様化することだ。賃上げ原資が少ない状況の中で働く意欲を高めるには、社員の意識や生活スタイルにあわせて重点的に配分することが有効との考えが、労使ともに定着しつつある。
松下電器産業は1000円分の賃上げ原資を健康維持などワークライフバランス(仕事と生活の調和)を目的とする福利厚生に振り向けた。東芝も1000円分の賃上げ原資を開発や製造など現場を支える高度技能者らの手当に充当する。
「生産性を高めて中身の濃い仕事をするのが大事。メリハリをつけるために働き方を変え、(会社が)能力再開発とか子育て支援などを考えないといけない」(電機大手幹部)と、経営側も配分の多様化に前向きだ。
三菱重工業では、2年で2000円の賃金改善額をすべて成績反映部分に組み入れた。全体の底上げをしつつ、社員のやる気を高める狙いがある。消費者物価指数を基準にした交渉では賃上げに結びつかないため、労組側が戦略を転換し、経営側の受け入れやすい成果主義の強化を提案した。
生活必需品の価格上昇は、正社員より比較的所得の低い非正社員ほど切実だ。13日は、産業別組合「UIゼンセン同盟」に加盟する流通などで回答が示され、パート時給の引き上げ額(組合員数による加重平均)は18・9円と昨年の12・15円を大きく上回った。
日本サービス・流通労働組合連合に加盟する高島屋などの大手百貨店組合の本格交渉は来週から。パートなどの待遇改善を巡る交渉は佳境を迎える。
物価が上がっているという消費者・労働者の実感とは裏腹に、
各指標は大きく変化無く、結果賃上げにはさほど反映されないようです。
さて値上がりをしている物価の上昇分は一体どこに行っているのか?
原価を押し上げているのは何か?
ここにグローバル経済のひずみが現れている気がします。
円高、株安、物価高騰で先行きも非常に不透明です。
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